1900年(明治33年)頃の撮影とされる女形(おやま)の古写真。
まるで日本人形のようで、生きている人間というのも忘れてしまいそうなほど浮世離れしてます。
古くは“若衆歌舞伎”と呼ばれ、芸能と男色が一体とされた時代には数え十六を過ぎれば年増という感覚ですから、性差を越えた美しさがいかに短い盛りと考えられていたかがわかろうというもの。人工的に形成された当時の“女性性”のカタチが彷彿としてきて面白い。
こういう素材から現代の「男の娘」や「偽娘」という現象を考察してみるのも一興かもしれませんね。
坂東玉三郎 すべては舞台の美のために (和樂ムック) 坂東 玉三郎 小学館 2009-04-01 売り上げランキング : 169574 Amazonで詳しく見る by G-Tools |