Bokor Hill Station 3

 標高約1000m、かつて世界遺産の候補にもなったカンボジアのボーコー国立公園にほど近い場所にあるという、『ボコールヒル・ステーション』は、フランス統治時代の避暑地として建造された町で、最盛期の1950年から60年代にかけてはホテルや教会、カジノなどが矢継ぎ早に建設され、入植したフランス人や王族たちが賑わいを見せていたといいます。
 植民のための手段の一つとして設計されたこの避暑地の建設には、カンボジア人労働者が主に雇われ、ほぼ1000人の労働者が命を落としたとされています。その後のカンボジア内戦でクメール・ルージュ(カンボジア共産党)とベトナム軍との戦闘の舞台にもなったボコールヒル・ステーションは、避暑地としての機能を放棄され、現在ではご覧のような廃墟と化しています。

 今や著名な観光地となっているボコールヒル・ステーションの姿はどこか神秘的で、廃墟であると同時に遺跡のような趣に満ちています。

続きを読む