Piano_2

 そのルーツをレオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチによるという、幻の楽器「ヴィオラ・オルガニスタ」。
 ドイツ語のガイゲンヴェルク(Geigenwerk)としても知られる擦弦鍵盤楽器という構想は、15世紀末に描かれたダヴィンチの設計により始まっています。
 見た目は鍵盤楽器なのに、中身は弦楽器という特殊な構造。
 ハープシコードやピアノとも異なる、弦をこする鍵盤楽器という発想はなかなかユニークで、興味をそそられます。



 ヴィオラ・オルガニスタの原理は、馬の毛や皮革を張ったドラムを回転させ、弦に触れさせることで音の共鳴を引きだすというもの。ドラムを回転させる動力は演奏者による足踏みで、ドラムを弦に接触させるために鍵盤を用います。要するに、鍵盤楽器の体裁を借りた擦弦楽器ということです。

 ダ・ヴィンチがルーツとされながらも、日本でガイゲンヴェルクの再現に成功した小渕晶男さんによれば、「絵だけで彼は実物を作らなかったので500年の間、90人位の人がいろんなガイゲンヴェルクを作ってる」とのこと。

 そもそも、打弦楽器であるピアノも広義の意味では弦楽器であり、鍵盤楽器が独自の分野を持っているかについては諸論あるわけです。
 当然、弓奏弦楽器を鍵盤で鳴らしてしまえという発想も同時多発的に生まれてくる可能性はあるわけで、ダ・ヴィンチのスケッチが発見されるまでに多くの人が同様のコンセプトを形にしようと努力していたということなのでしょう。



 上の動画は、sławomir zubrzycki による、初めてのヴィオラ・オルガニスタの演奏を収録したもの。2013年10月18日に、ポーランドのクラクフ国際ピアノフェスティバルで披露されたものだそうです。
 いずれにせよ、見た目はピアノの演奏なのに音色は擦弦楽器というアンビバレントな演奏は、かなり面白いものであることに違いはありません。

[Via. Bloody Disgusting 参考:ここが知りたい、音楽と楽器]

Leonardo Da Vinci: The Complete Paintings and DrawingsLeonardo Da Vinci: The Complete Paintings and Drawings
Frank Zollner Johannes Nathan

Taschen America Llc 2011-08-29

Leonardo Da Vinci: The Complete Paintings and Drawings