
まさに「空想科学」!!
1830年6月、プロイセンに生を受けたチャールズ・オーギュスト・アルバート・デルショー(Charles August Albert Dellschau)は、精肉商として働きながら独学で絵画を学んだという珍しい経歴を持つ人物。
デルショーは水彩画やコラージュを駆使した幻想的な飛行機械の数々を描いており、少なくとも13冊のノートブックを遺したといわれています。
その最も古い作品は1899年の日付の日記であり、最も新しいものは1921年から22年にかけて記されたノート。そんな彼の作成した数々の飛行機械のイメージは、想像力豊かで胸躍る幻想に満ちていました。

デルショーの残した2500枚を越える図面で構成された数々のノートブックは、架空の飛行クラブ「ソノラ・エアロクラブ(Sonora Aero Club)」の活動の記録として設定されているそうです。
稼業を引退し、独学でアートを学んだ彼のノートは当時の新聞や科学雑誌のコラージュ、手彩色による独特の図案で構成されており、いわば彼の夢が紡ぎあげた空想の叙事詩とも言うべきもの。
中でも写真のノートブックは、1969年に米テキサス州の古本屋で、とある美大生により発見されたものだといいます。
そのエピソード自体が一篇の小説や映画のように感じられますが、水彩の淡い色彩によって描かれた「デルショーのアートブック」は、まるでジュール・ヴェルヌの小説のように奔放なイマジネーションに満ちていました。
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チャールズ・オーギュスト・アルバート・デルショーは、1923年に93歳で死亡するまで、20年以上にわたって飛行機械と架空のエアロクラブの活動を記録する作業に熱中したといいます。
なお、彼のノートは「Charles A. A. Dellschau: 1830-1923」という作品集として出版されており、その偉業を偲ぶことができるようです。
[STEPHEN ROMANO PRIVATE ART DEALER. Via DNA]
![]() | Charles A. A. Dellschau: 1830-1923 James Brett Thomas McEvilley Tracy Baker-white Roger Cardinal Tom D. Crouch Marquand Books Inc 2013-03-31 ![]() |