the_fantastic_four_photo_1

 2005年の映画『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』に先立つこと11年、劇場公開もソフト化もされなかった幻の映画が存在していました。
 “低予算映画の王様”ことロジャー・コーマンが製作を務めた『ザ・ファンタスティック・フォー(The Fantastic Four)』は、同作の映画化権を所有していたドイツの映画会社コンスタンティン・フィルムが、約1ヵ月で撮影したという曰くつきの作品。ロジャー・コーマンのB級フォースは凄まじく、想定されていた4000万ドルを破格に下回る140万ドルの予算で完成しています。
 コーマン先生の低予算力、ハンパないです。
 
o_bWnHKsUkEW8G8sM

 コンスタンティン・フィルムが撮影を急いだ背景には、映画化権の期限切れが目前に迫っていたという実情もあったようです。
 ところが、予告された1994年の映画「ザ・ファンタスティック・フォー」は、コミックブック・コンベンションなどでプロモーションが行われたものの、結果的には公開もソフト化もされず....。

fantastic-four

 スタッフやキャストの落胆もしのばれるわけですが、コーマン先生と同様に製作者としてクレジットされていたベルント・アイヒンガーさんは、2005年の『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』と、続編の『ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007年)』のプロデュースを担当するなど、10年後の映画製作の実現という意味では、確実に実を結んでいます。

 コンスタンティン・フィルムがこの作品を踏み台に映画化権を失わず、結果として後の映画2作の製作を担当できたということなのかもしれませんけど。

Fantastic-Four-fantastic-four
(10年後はこうなりました)

 というわけで、1994年のコーマン版ファンタスティック・フォーでは、“超能力ユニット”ファンタスティック・フォーの誕生と、好敵手ドクター・ドゥームとの最初の戦いが描かれています。

 製作費を当初見積もりの約28分の1にまで圧縮してしまう、コーマン先生のB級フォースが存分に楽しめる作品。ザ・シングの造形や各キャラクターの低予算ならではの描き方など、見どころを探してみましょう。
 フルムービーなので1時間半、長いです!


※動画の冒頭約1分30秒は予告編。画質は調整してください。

 なお現在、フィルムメイカーのマーティ・ラングフィールド氏とマーク・サイクス氏の2人が『Doomed』というタイトルで、コーマン版『ザ・ファンタスティック・フォー』のドキュメンタリーの製作を企画しているようです。

 おなじみクラウドファンディング・サイト「キックスターター(Kickstarter)」で、5月にキャンペーンを開始する予定なのだとか。

(Via.Mighty Mega)

コーマン帝国(Blu-ray Disc)コーマン帝国(Blu-ray Disc)

キングレコード 2012-08-15
売り上げランキング : 50525

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(参考:ザ・ファンタスティック・フォー - ウィキペディア)