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 4月11日付で英ネイチャー誌電子版に発表された論文は、北海道や福井県で出土した縄文時代草創期(約1万1800〜1万5000年前)の土器片から、世界最古の調理の痕跡が発見されたというもの。
 新潟県立歴史博物館や英ヨーク大学などからなる研究チームが発表したもので、チームは国内13箇所の遺跡から出土した世界最古級の土器サンプル101個の分析を行っています。
 その中でも、北海道帯広市と福井県若狭町から出土した土器の焦げ跡から、魚などを加熱した時に生じる残留物を検出。これまでに確認されていた約9000年前の調理跡の記録を、大幅に塗り替える結果となっています。

A potted history of Japan
(画像:Archaeology: A potted history of Japan | nature

nature 掲載の論文要旨

 研究によると、縄文草創期の土器片から発見された痕跡から、魚などの水生生物を270度以上で加熱した時に生じる脂肪酸を検出。
 焦げ跡に見られた有機化合物の元素を分析したところ、福井県にある鳥浜貝塚から出土した一部の試料からは陸上哺乳類の可能性がある残留物が検出されたものの、食材の多くは海産物と見られることが証明されました。
 また、帯広市の大正町にある「大正3遺跡」で発掘された土器からは、淡水魚に似た特徴を含む残留物も発見されており、サケのように海と川を行き来する魚を調理した可能性もあるとのこと。

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(痕跡が見つかった土器片)

 これまでに発掘された世界最古の土器としては、中国江西省の洞窟遺跡で見つかった約2万年前の土器が知られていますが、今回の調査で確認されたのは、土器を煮炊きに使った例としては世界最古であるというもの。
 今後、調査を進める上で、人類がどのように土器を発明し、またそれがどのように普及していったのかなどの歴史的な背景が明らかになることに期待が寄せられています。

 なお、これまでに確認されているもっとも古い調理の痕跡は、地中海東沿岸地域から出土した約9000年前の土器から発見された、動物の乳を加工した跡であるそうです。



(Via.YOMIURI ONLINE / nature)

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