Aerocar N103D, 1956(1)

 20世紀に花開き、ライト兄弟によって初めて空を飛ぶことが実現した飛行機ですが、1903年の「ライトフライヤー」号による世界初の本格的な有人飛行から21世紀の現在にいたるまで、様々の試行錯誤が行われてきました。
 ご紹介するのは、実用化されることのなかった異形の航空機たち12種類ですが、それぞれに得がたい魅力を放つ機体たちでもあったりします。

Aerocar N103D, 1956Aerocar N103D, 1956

 1956年に特許を取得したエアロカー N103D は、その名の通り、飛行機にトランスフォームできる空飛ぶ自動車。125馬力のエンジンを搭載しており、毎時100マイル(約160km/h)の巡航速度を持つとか。


Kamov KA-56 folding helicopter, 1971
Kamov KA-56 folding helicopter, 1971

 1971年にソ連のカモフ設計局が開発した Kamov KA-56 は、魚雷発射管に収納して輸送することが可能で、約15分で組み立てられる単座式の小型ヘリコプター。
 毎時70マイル(110km/h)の速度で飛行することを想定して設計されましたが、小型エンジンを開発することができなかったそうです。


The Lockheed XFV (or Salmon), 1954
The Lockheed XFV (or Salmon), 1954



 ロッキード社がアメリカ海軍のために試作した、テイルシッター型垂直離着陸戦闘機。
 いわゆるVTOLをおこなうために開発が行われたプロトタイプで、コンベア社のXFY-1と競作されたというもの。XFY-1は垂直離着陸および水平飛行への転換に成功しましたが、XFV-1では失敗に終わっています。


Ryan VZ-3RY Vertiplane, 1958
Ryan VZ-3RY Vertiplane, 1958

 バーチプレーン(Vertiplane)の愛称を持つ VZ-3 は、アメリカ航空宇宙局およびアメリカ海軍の発注により開発されました。
 大面積のフラップを用いた、垂直または超短距離離着陸に関する研究目的で開発された機体。1958年から曳航飛行試験を開始し、1959年に自力離陸に成功していますが、1機のみの製造に終わったようです。


Hughes XH-17, 1952
Hughes XH-17, 1952

 ヒューズ航空機のヘリコプター部門で計画された最初のヘリコプターである XH-17 フライングクレーンは、直径134フィート(41m)の2枚のブレードがメインローターという奇妙な機体。
 50,000ポンド (23,000kg)以上の総重量を持ち上げる能力を持っていましたが、その駆動システムは効率的とは言い難いものだったそうです。


McCormick-Romme Umbrella Plane, 1911
The Umbrella Plane or the McCormick-Romme plane, 1911

 ルイス・アンド・ヴォート社の設立者の一人でもある、有名な航空機ビルダーのチャンス・ヴォードが1911年に設計した、史上初の円盤型の航空機。
 シカゴのシセロにあるフィールドで数回の飛行実験を行ったとの記録があるようです。


The Arup S-1, 1932
The Arup S-1, 1932

 アラップ社の航空機シリーズの最初の機体だという S-1 は、Cloyd Snyder 博士によりインディアナ州で開発されたもの。スナイダーグライダーという愛称で呼ばれていました。


Nemeth Circle Aircraft or Roundwing, 1934
Nemeth Circle Aircraft or Roundwing, 1934

 円形の翼を持つ奇妙な航空機は、航空エンジニアのスティーブン・ポール・ネメスによって設計されたもの。


Phillips Multiplanes, 1904 and 1907Phillips Multiplanes, 1904 and 1907

 1904年に試作されたフィリップス・マルチプレーンは、縦に20枚の翼を並べたという異様な外観を持っていました。安定を保つための尾翼を持っていましたが、飛行することはできなかったようです。
 また、1907年に試作された機体は7フィートのプロペラ、22馬力のエンジンを搭載し、4列にわたって総数200枚の翼が配置されているというスゴイ機体。
 こちらは500フィート(約152メートル)の飛行を達成したということです。

The Burke "Seagull", 1910
The Burke ,Seagull, 1910

 湾曲した翼の美しい Seagull ですが、飛行したことはありません。


Avro Canada VZ-9 Avrocar, 1958-1959
Avro Canada VZ-9 Avrocar, 1958-1959

Avro Canada VZ-9 Avrocar, 1958-1959(2)

 アブロカナダVZ-9(アブロカー)は、カナダに本社を持つアブロ航空機株式会社が米軍による極秘プロジェクトの一環として製作したUFO型の機体。
 揚力と推力を得るためにVTOL機のような性能を持っていましたが、安定性の問題が解決できず、プロジェクトは1961年に打ち切られています。

 関連エントリー
米軍の「空飛ぶ円盤プロジェクト」ついに機密が公開される


Bartini Beriev VVA-14, 1972
Bartini Beriev VVA-14, 1972

Bartini Beriev VVA-14, 1972(2)



 ソビエトが冷戦時代に建造した VVA-14 は、ベリエフ社によって開発された大型の水陸両用垂直離着陸機。
 水上から離陸できる性能を備え、103時間の飛行時間を持っていましたが、デザイナーであったロバート・バーティニの死後にプロジェクトが打ち切られています。

関連エントリー
冷戦の偉容、「カスピ海の怪物」と称されたソ連の機密航空機エクラノプラン

(Via.io9)

飛行機と想像力 -翼へのパッション飛行機と想像力 -翼へのパッション
橋爪 紳也

青土社 2004-02-22
売り上げランキング : 868832

Amazonで詳しく見る
by G-Tools