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 ナラボー砂漠とは、オーストラリアのグレートビクトリア砂漠南部、グレートオーストラリア湾の北湾に位置する砂漠気候の平原。そのナラボー平原にある地底湖「Weebubbie Cave」から、カーテン状に広がる謎の微生物群「エイリアン・スライム」が発見されたことが注目を集めています。
 エイリアン・スライム、または“ナラボーの洞窟スライム”と呼ばれる謎の微生物群は、光合成をおこなう生態系のグループから完全に独立した生態系を維持しており、塩分を含む水の中でアンモニアを酸化させることによって生存していると見られています。

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(発見されたエイリアン・スライムの“支配的な”グループの一部)

 オーストラリアのダイバーによって発見された謎の微生物群の研究と分析を行ったのは、オーストラリアのマッコーリー大学による研究チーム。
 彼らは、Weebubbie 洞窟の湖の底に見られる地下システムの中で、どのようにしてエイリアン・スライムが生存しているのかについて国際学会誌に調査結果を報告しています。

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(ナラボー平原の地下洞窟への入り口)

 彼らは、この“ミッシング・リンク“を明らかとするため、環境下における次世代DNAシーケンシングや走査型電子顕微鏡などのアプローチを用いて、洞窟スライムの支配的なグループの調査を行いました。
 しかし研究者の1人イアン・ポールセン教授は、「地底湖の中で特殊な化学反応が行われていることを提案したが、これらの微生物がどのように生存しているのかを詳らかにすることはできなかった」と述べています。

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(顕微鏡下の“スライム”微生物の一部)

 調査からは、ナラボーの洞窟が海洋起源をもっていることが示唆され、また「ナラボー平原のカルスト・システムが中新世中期に海を起源に生じたことを裏付けるもの」だったことをポールセン教授は明かしました。

 研究チームは、「塩分を持つ水の中でアンモニアを酸化する」ことで生命を維持しているという仮説にたどり着いたわけですが、それは勿論、“太陽光を必要とせず、完全に独立した生態系で繁殖する”というエイリアン・スライムの特徴の全てを説明できるものではありません。

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 人類を含め、その多くが太陽光のもとで生態系を維持する食物連鎖の世界において、彼らのように光を必要とせず、またアンモニアを酸化することでエネルギーを得るという特異な生態を持つ生物群が存在することは、確かにある種の「エイリアン」のようなものであるのかもしれません。

 ポールセン教授は、「地球の暗い穴の底では、多くの奇妙な例を示すことになるでしょう。その多くは不明のままなのです」と、述べています。

(Via.Daily Mail / Sci-News / Macquarie University)

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