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 生物におけるニューロンやニューロン群、領野などの神経系内の各要素、つまり神経回路の地図のことを“コネクトーム(connectome)”といいますが、2003年に解読の終了したヒトゲノムとは違って、ヒト・コネクトームの解読はまだ初期段階なのだそうです。
 そんな中、「Human Connectome Project」という多国間による共同研究プロジェクトが、驚くべき脳の3Dマッピング動画を公開しています。

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 人間の脳には1,000億ほどの神経細胞があり、またそれら神経細胞の間には1兆にもおよぶ接続があると考えられることから、コネクトミクスの研究にはより一層の技術的な進歩が必要とされています。
 なにしろ、これらは約30億の塩基対で構成されたヒトゲノムよりはるかに複雑な対象とされており、コネクトームの全容が判明しているのは線虫などの単純種に限られているのだとか(2009年時)。

 ヒューマン・コネクトーム・プロジェクトの研究の一端は公開されているギャラリーでも確認することができますが、ご紹介する動画は、人の脳の白質(神経細胞体がなく、神経線維ばかりの部位)を図像化したもの。

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 新しいデータは以前のものよりもはるかに詳細で、従来の脳スキャンで得られたデータよりも高い解像度を示しています。

※映像は画質を調整して視聴ください。


(Via.Daily Mail / Human Connectome Project)

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