Fuxianhuia

 古代の化石は、クトゥルフが5億年前に地球上に存在していたことを証明します――そのような見出しでセンセーショナルに取り上げられていたのは、カンブリア紀中期に生息していたフキシャンフィアと呼ばれる節足動物。
 今日のロブスターやクモ類の遠い祖先に当たるというフキシャンフィアは、澄江動物群と呼ばれる中国澂江県で多く出土した生物群のひとつ。
 
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 サイズは大きいもので11センチ、標本の多くは3センチほどだというフキシャンフィアは、その無数の脚(関節肢)で海の底を這いまわっていました。
 それらの脚で食べ物を口へと運んでいたとも考えられているフキシャンフィアですが、その大きさと各部の位置や構造がガラスエビのような甲殻類とよく似ており、それらと同じく小さな脳を持っていたと生物学者のグレゴリー・エッジコム氏はネイチャーに語っています。

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 また、現代の昆虫や甲殻類のいくつかと共通する顕著な類似性は、かなり「高度な脳」を持っていたことを示していると同氏は述べています。
 これらの高度な脳は視覚情報を処理するために発達したと見られており、カンブリア紀の生存競争を示す重要な要素であったそうです。

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 論文の中で、“足を発達させた最初の生物の一つだったかもしれない”と記されるフキシャンフィア。
 まるで生物発生の壮大な実験のようであったカンブリア爆発後の異形の生物たち――それらが蠢く暗い海の底は、まさに“クトゥルフ神話”を彷彿とさせる世界であったかもしれません。

(Via.io9 / nature.com)

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