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 他の多くの爬虫類や哺乳類とは大きく異なり、ワニの生殖器は普段は体内に収納されており、また常に勃起した状態を保つ繊維組織で形成されていることが明らかとなりました。この興味深い報告を行ったのは、米マサチューセッツ大学の解剖学者であるダイアン・ケリー氏。
 彼女が The Anatomical Record に報告した調査によると、アリゲーターのペニスは常に勃起状態であり、交尾の際の興奮状態を必要としない代わりに、生殖器を体内に収納するという特殊なものであるとのことです。

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「これは本当に面白く、奇妙です。そして、私たちがこれまで目にしてきた脊椎動物とは非常に異なっています」と語るケリーさん。
 1915年には、ある科学者が文章でワニのペニスの説明を行いましたが、その最後に「彼は実際の、その生殖器がどのように機能するのか見当がつかないと結論付けていた」ことも明らかにしました。

 記事によると研究対象となったワニは、米ルイジアナ州にあるロックフェラー野生保護区で捕獲されたアリゲーターで、体長は13フィート(約4メートル)。ペニスは白く、2.75インチ(約7センチ)の長さだったとのこと。
 対象となったワニを解剖し、その生殖器の構造に驚いたケリー氏は、哺乳類やカメ、鳥類のペニスに生理食塩水を満たし、ペニスにどのような変化が起きるかを考察しました。しかし同様の実験を行ったワニのペニスには、何の変化も見ることはできなかったそうです。
 長さにも直径にも変化のないワニのペニスを見て、「その瞬間、私は非常に異なる何かを確信したのです」とケリー氏は語っています。

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(収納されている状態のワニの生殖器[※画像はオスのもの])

 ワニの陰茎組織の解剖により、ペニスが硬いコラーゲンと繊維組織により構成されていることを発見し、また取り出したペニスを素早く体内に収納するための複数の腱や筋肉のセットの存在を確認しました。
 それらはちょうど、ラバーバンドのように陰茎を牽引しており、これにより、常に勃起状態を保つペニスを総排出腔の内部へ素早く収納する構造になっているのだそうです。

 次のステップとして、ケリー氏はルイジアナ工科大学の研究者であるブランドン・ムーア氏と協力し、ワニの射精システムを研究しているそうです。
 なお、ダイアン・ケリー氏の調査記録は Journal Anatomical Record 3月号に掲載されています。



(Via.Live Science)

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