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 先に火星で謎の金属状オブジェクトを発見としてお届けしましたが、NASAや科学者による見解が発表されたようです。
 問題となる物体は、火星のダスト・サンプルを採取するために探査ローバーが試掘を行っていた、ゲイル・クレーター付近の画像に写り込んでいた約0.5センチほどの小さな物体。まるでハンマーやノブのようにも見える金属質の神秘的なオブジェクトは、様々な憶測を呼んでいました。
 しかしNASA(米航空宇宙局)は、火星で見られる平凡な風食の結果以外の何物でもないと主張しています。

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 マーズ・サイエンス・ラボラトリーの協力者であるワシントン大学の Ronald Sletten 教授は、岩が風と浸食によってどのような変化を引き起こすかについて様々の研究を行っています。
 彼によると、これまでにも光沢をもつ物体が岩から露出している画像が撮影されており、その中には車のドアやハンドル、その他の金属質に見える物質が撮影されている例があるとのこと。

 NASAによれば、画像で示されている物質はいわゆる風食礫(ペンティファクト)であり、風や砂によって削られた結果、このような奇妙な形に露出したものだとのことです。

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 Ronald Sletten 教授がジェット推進研究所(JPL)のウェブサイトに発表した画像。火星の表面に発生した物体について説明を行っています。

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 下図は風と砂で磨かれた風稜石の一例。風稜石は礫(れき)や岩片が風食を受けることで、平滑な面と稜を生じたもの。風食作用を受けると礫の風上側に平滑な面ができ、その一端に稜ができます。

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 Sletten 氏はオブジェクトが金属質に輝いて見える理由について、「表面が光るのは、この岩(物体)が微粒子を持っており、比較的硬いことを示唆しています。微粒子を持つ岩は火星の強い風によって磨かれ、このように滑らかな表面を持つことが考えられるのです」と述べています。

(Via.Universe Today / Message to Eagle / Daily Mail / Mars Daily)

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