一頭の牛は8ガロン(約30リットル)の血液を有しているそうです。
屠殺にともなう血液のほとんどが畜産廃棄物として処理されることから、英国建設学校の卒業生ジャック・マンロー氏は動物の血液、特に牛の血液は「世界で最も排出される廃棄物の一つ」なのだと主張しています。
そこでマンロー氏が提案したのが、大量の廃棄される血液を用いて建築用のレンガを製造するという方法。
牛の血と砂を混ぜ合わせ、160度の温度で1時間焼き上げることによって、構造的にも良質なレンガを製造することができたのだとか。
英ウエストミンスター大学の建築学科を卒業したマンロー氏は、自らの仮説を立証するために検証を行い、建材の不足する発展途上国においての建築資材として“血のレンガ”が利用できるという結論を得たそうです。
彼は検証のために4頭の牛から血液を集め、細菌の増殖を抑えるための抗菌剤を加え、砂と混ぜ合わせて焼き上げることでレンガを製造することに成功しています。その製法は、以上の方法で作り上げたセメントを鋳型に流し込み、わずか160度の低温で1時間焼き上げるというもの。
また潜在的に水の不足する途上国では、牛の血を利用することで、レンガを製造するための水を倹約することにもつながります。
特に乾燥した気候を持つ国で一般的に使用される泥レンガ(乾燥レンガ)よりも、血液の粘性を利用した「血液レンガ」は、はるかに大きな構造物を建築することが可能なのだそうです。
マンロー氏はエジプトの農業コミュニティにおける砂漠化の進行を食い止めることにも、血のレンガが貢献するはずだとの試算を計上しており、また牛小屋からレンガ窯までの全てのプロセスを構想しているのだそうです。
(Via.DVICE)
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