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 米メリーランド州に暮らす42歳のシェリー・ウォルターさんの左耳から基底細胞癌が発見されたのは、2010年のことだそうです。
 癌を除去するために彼女の耳は取り除かれる結果となりましたが、ジョン・ホプキンス大学の医師は本人の組織から形成された新しい耳を定着させるために、それを前腕に移植しました。
 こうした場合には、エピテーゼと呼ばれる義耳を取り付ける場合がほとんどですが、新たな試みは再生医療に新たな可能性を与えてくれそうです。

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 ウォルターさんが左耳の痛みに気付いたのは2年前のこと。発見されたガンは外耳道にまで広がっており、ウォルターさんは耳と首腺、頭蓋骨とリンパ節の一部を除去しなければなりませんでした。
 主治医から耳の再建手術の話を聞かされた時、まるで科学小説のような話だとウォルターさんは感じたそうです。

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 左腕に移植された新たな耳は、彼女自身の胸部の軟骨や皮膚などから採取された6つの組織で形成されており、約4カ月の間、ウォルターさんの腕に移植されたまま、その定着と成長をテストされていました。

 施術を行ったのは、ジョンズホプキンス大学医学部の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の准教授であるパトリック・バーン医師。バーン氏は「一般的な義耳を取り付ける方法は、接着剤やテープであるでしょう。しかし我々は、それが唯一のオプションであることには同意しません」と語っています。

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 病や事故によって体の一部を失った人にとって、新たな光明を与えるかもしれない今回の手術。再移植にいたるプロセスを終えるまでには、20ヶ月の時間を要したようです。

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 なお、ウォルターさんは後いくつかの形成手術を控えており、最終的には特殊な補聴器を装着することで聴覚を回復することが予定されています。

(Via.ABC news / CBS Baltimore)

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