African spiny mouse

 アフリカで発見された小さなネズミが、再生医療の新たなブレイクスルーとなるかもしれないと科学者たちは述べています。
 この貴重な発見を行ったのは、米フロリダ大やケニアの研究チーム。27日付の英科学誌「ネイチャー」に発表された論文では、ケニアで見つかった小さなトゲネズミの再生能力は、手足を切り落としても再生することのできるサンショウウオの再生能力に匹敵するかもしれない機能だということです。

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(発見されたトゲネズミ)

「皮膚、毛包、軟骨、その全てが再生される....」そう言って舌を巻くのは、研究リーダーを務めるフロリダ大のアシュリー・ザイフェルト氏。
 これまでサンショウウオの再生能力について研究が行われてきましたが、しかし両生類であるサンショウウオの研究を哺乳類である人間の再生医療に応用できるのかについては、生物学の専門家からも疑問が呈されてきました。

 しかしアフリカで見つかったトゲネズミはヒトと同じ哺乳類であるため、進化の過程がサンショウウオと比べるとはるかにヒトと近く、より人への応用の可能性が高まったと考えられています。
 ザイフェルト氏は、サンショウウオの再生機能は哺乳類においてはオフになっているが、おそらく、このトゲネズミに限ってはその機能がオンになっているのではないかと考えています。

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(画像は生検の結果を示すもの。(a) (b) は発見されたマウス。和名どおりの針状の毛が特徴。(c) は背部の皮膚を切除したもの。(d) (e) は傷の再生を示す。 (f) は完全に再生された皮膚)

 ザイフェルト氏はマウスの再生能力を調べるための生検を行い、驚くべき再生能力を確認しました。その再生能力は驚くべきもので、おそらくサンショウウオが切断された四肢を再生するのと同様の生物学的プロセスをこのネズミは経ているとの見解を述べています。
 その上で、「(このネズミの特徴が)人の皮膚再生治療や組織再生のための新たなモデルシステムを示すことができるはず」と語っています。

(Via.Mail Online)

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梅澤 明弘

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