Phallostethus_cuulong

 頭部に生殖器をもつ魚がベトナムのメコンデルタで発見されたそうです。
 発見された新種の魚は、トウゴロウイワシ目トウゴロウメダカ科に属しており、学名は「Phallostethus cuulong」。
 Phallostethus はギリシャ語で「胸にペニス」の意味があり、また英語では通称 Penis Head Fish と呼ばれているようです。

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 トウゴロウメダカ科の既知の21種は口の下に交尾器官を持つ特殊な魚として知られており、オスは頭の下に“プリアビウム”と呼ばれる、非対象で複雑な構造をもつ交尾器官をもっています。

 プリアビウムはオスの腹ビレの骨格が変形したもので、「左利き」と呼ばれる種ではプリアビウムが体の左側に開口し、かつ肛門が右側に開いています。「右利き」はその逆で、ほとんどの種では右利き、左利きともにほぼ同数いるようです。

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 プリアビウムは複雑な筋肉で構成される器官で、交尾の際にメスの体をクラッチするためのフックを含んでいます。
 発見された新種のオスも、交尾時にはプリアビウムでメスの体を固定し、メスの頭部にある泌尿生殖器に精子を注入するようです。

 他のトウゴロウメダカと同様に新種も2.5センチに満たない小型の魚で、体色もほぼ透明。標本となった9匹はメコン川流域にある水深の浅いフィールド調査で発見されており、スミソニアン国立自然史博物館の魚類担当学芸員リン・パレンティ氏によると、男根魚は非常に環境適応能力に優れており、「道路わきの水路で発見」された例まであるのだとか。

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(画像 A. B. がオス、C. D. がメス)

 頭部に生殖器をもつ理由は長年の謎とされてきましたが、トウゴロウメダカ科は体内受精タイプの魚種が多いグループに含まれており、この科のオスの多くが体内受精に合わせた身体の変形が見られることから、男根魚も同じように適応を果たしたと見るのが妥当とされているようです(一般的に魚類は体外で受精します)。

 また、パレンティ氏によると「頭部で結合したほうが格段に効率が良い」そうです。メスの標本を調べたところ精子が充満した卵管が見つかっており、頭部での結合のほうが、受精がほぼすべての卵にいきわたる可能性が高いのだとか。 また、多くの魚類は瞬時に交尾を完了するが、男根魚の交尾は長時間に及ぶと同氏は話しています。

 ちなみに、男根魚の別種の交尾を見たことのあるパレンティ氏は、男根魚の交尾を「頭部で繋がったオスとメスがVの字になり、まるで小さなハサミが水槽内をせかせか泳いでいるようだった」と話しています。

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 なお、生物分類上のトウゴロウメダカ科トウゴロウメダカ属としては今回が3種目の発見であるとのことで、まだまだ不明な点は多いのだそうです。

(Via.Huffington Post / ナショナルジオグラフィック)

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BUBKA編集部

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