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 モナ・リザといえばレオナルド・ダ・ヴィンチによって1503年からおよそ4年にわたりから制作されたとされる、世界でもっとも有名な絵画。映画化もされたダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」でも話題となりましたが、今回の発見により、そのコードの一つが解明されるかもしれません。

 イタリアの考古学チームが24日に発表したのは、モナ・リザのモデルであるとの見方が最も一般的とされる、リザ・デル・ジョコンド(リザ・ゲラルディーニ)の遺骨を発見したというニュース。今回の発見が名画の謎の解明に大きな前進をもたらすのではないかとの期待が高まっています。

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 “ジョコンダ夫人”といわれるリザ・ゲラルディーニは、フィレンツェの貴族であった絹商人フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻だった人物。

 1479年10月16日に生まれ、1495年にフランチェスコと結婚したこと以外の多くが謎に包まれている人物ですが、名画モナ・リザの名称もイタリア語では「La Gioconda」と記され、また展示を行っているルーブル美術館でも「La Joconde」と称しているなど、古くから絵のモデルとなったのはリザ・ゲラルディーニであるとの説が一般的となっています。
 もちろん多くの異説が唱えられていますが、今回の発見はモナ・リザをめぐる学説に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。

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 モナ・リザの制作はリザの夫であるデル・ジョコンドが制作を依頼したと考えられており、AFPによれば、「ゲラルディーニについては前年、新たな文献から夫の死後、娘2人が修道女となっていたフィレンツェの聖ウルスラ女子修道院で暮らした後、同地に埋葬されたことが判明」しているとのこと。
 発掘作業が行われたのは聖ウルスラ修道院の墓で、後世に作られたコンクリート床を掘り起こすことで、発掘調査が行われていたものだそうです。

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 調査を行っているシルバノ・ビンチェティ氏率いる調査チームは、美術品をめぐる謎の解明を専門としており、今回発見された人骨は状態が良く、頭蓋骨が無傷で残っている点が特に重要とのこと。
 調査チームによれば、骨はフランシスコ会の祭壇近くに埋葬されており、埋葬時期もゲラルディーニのものと一致するそうです。

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 今後は発掘された人骨を鑑定へ回し、放射性炭素年代測定やDNAの比較などいくつかのテストを受けることになるようです。今後の研究により、骨がゲラルディーニのものと断定されれば頭蓋骨から生前の顔を復元し、モナ・リザの特徴と比較したいとチームは考えています。

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 ANSA通信によると、モナリザが描かれた時期と一致する「1500年以後に旧修道院に埋葬された女性は2人だけ」とチームは語っているようです。
 ただしゲラルディーニとは無関係という鑑定結果が出る可能性もあり、その場合には祭壇の反対側にある“より大きな墓”の発掘作業が9月から開始される予定だそうです。

(Via.AFPBB News)

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