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 任天堂といえばいわずと知れた世界的なゲームメーカーですが、1980年の携帯型ゲーム機『ゲーム&ウオッチ』に始まるコンピュータゲーム開発を始める以前には、花札やトランプ、麻雀などのテーブルゲームや様々なおもちゃを製造するメーカーだったことは有名な話。

 そんな任天堂が、世界の「ニンテンドー」になる以前の70年代後半、まるでロボット掃除機「ルンバ」を彷彿とさせるリモコン式の卓上掃除機「チリトリー」を発売していました。
 本格的な掃除機ではなく、あくまでも玩具という位置づけの商品ですが、後のルンバと同様のコンセプトを70年代に具体化していたあたりに非凡さを感じずにはいられません。

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 任天堂大辞典によると、チリトリーの吸引力は消しゴムのカスを吸い込む程度。リモコンのスイッチを押すことで本体下部についている車輪の片方が回転し、本体が回転しながらごみを吸い取っていくという仕組みのようです。
 後にゲームボーイアドバンスで発売された「メイド イン ワリオ」のプチゲームとしても収録されていました。

 動画:WarioWare Inc.- Chiritori


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 底面をみると、構造は単純ながら驚くほどルンバにそっくりです。

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 チリトリーのリリースは1979年ですから、「ゲーム&ウオッチ」を発売する1年前に当たります。価格は5800円と当時としては高額であり、生産も比較的小規模なものであったようです。

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 説明書には「無線クリーナー」というフォントが踊ります。任天堂がビデオゲームメーカーとして舵を切る転換期に当たる70年代の後半、今になって思えば時代を20年先取りしていたコンセプトであったといえるでしょう。

08.画像はクリックで拡大。
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 ステッカーで表情をつけられるというあたりに遊び心を感じます。

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(Via.beforemario.com)



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