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 不死者の代名詞ともされるヴァンパイア、いわゆる吸血鬼の骨がブルガリアの町ソゾポルで出土したとして話題となっています。
 ブルガリアの国立博物館が5日に発表を行ったのは、胸に鉄製の杭(くい)を打ち込まれた中世の人骨2体が発掘されたというもの。

 一部地域の信仰では、生前に悪行を行った人物は死後ヴァンパイアに生まれ変わると信じられており、それを防ぐためには鉄や木で出来た杭を遺体の胸に突き刺さなけれならないとされていました。

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(発掘された“ヴァンパイア”の一体)

 ヨーロッパにおいて吸血鬼の伝承は広く存在しており、ドイツでは胞衣を纏ったまま生まれた者は“夜の捕食者”ナハツェーラーになるといわれ、またロシアでは人の顔をした巨大コウモリ“ウプイリ”の伝承が残されるなど、ヴァンパイアの伝承は東はアナトリア半島・コーカサス・ヴォルガ川沿岸地域に至るまで確認することができます。

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(骨が発掘されたソゾポルの修道院跡)

 ブルガリア国立歴史博物館の館長 Bozhidar Dimitrov 氏の説明によると、新たに見つかった2体の人骨は20世紀初頭までブルガリアの村で一般的に行われていた慣習を示しており、これまでにも同様の骨が100体ほども発掘されているのだそうです。
 同氏によれば、“吸血鬼”にはしばしば貴族や聖職者が含まれており、奇妙なことに同様の杭を打ち込まれた骨には女性が見当たらないとのこと。

 しかし先月、イタリアの研究者たちはヴェネツィアで女性のヴァンパイアのものだと考えられる骨を発掘。
 件の骨はペスト患者らの多く眠る1576年の墓から発掘されたもので、16世紀に街を襲った疫病の犠牲者を彼女(ヴァンパイア)が捕食することを防ぐため、口にレンガを押し込んだ状態で埋葬されたと推測されています。

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(16世紀ヴェネツィア、女性ヴァンパイアの頭蓋骨)

 フィレンツェ大学の人類学者 Matteo Borrini 氏は、これら吸血鬼の伝承の背景には、黒死病のような伝染病の蔓延に対する恐怖があったのではないかと語ります。また、口にレンガを押し込まれた骨が発見されたのはこれが初めてであり、中世の医学書や宗教的なテキストによれば、甦ったアンデッドが疫病を広めると信じられていた可能性があるそうです。

(Via.Daily Mail / AFPBB News / 参考:吸血鬼 - ウィキペディア

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