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 ニューエイジ思想における2012年人類滅亡説が、あらためて否定された格好になったようです。
 調査チームにより、古代マヤ文明の遺跡シュルトゥンの住居跡で、世界終末論を否定する壁画が発見されました。

 発見された壁画には2012年で終末を迎えるとされたマヤ暦よりも、より年代の新しいマヤ文明の「リング・ナンバー」が見受けられました。
 新たな計算では、約7000年先の日付が示唆されており、2012年で世界が終わるとするマヤ文明の予言を否定する裏付けになるとのことです。

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 シュルトゥンはグアテマラ北部にある古代マヤ都市遺跡。調査チームは2010年から調査を開始しており、盗掘者のトンネルを調査中に、ある学部生が薄い漆喰壁に残るかすかな塗料の痕跡に気付きました。

 壁画には王とその従者が鮮やかに描かれていましたが、なによりも注目されたのは、当時の諸機関が残した計算表。その計算表は数千年先の未来を予測する目的のものと考えられ、古代マヤ文明が予言したとされる2012年の世界終末とは完全に食い違っているのだそうです。

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 部屋は簡素な造りですが、マヤ社会の新たな一面が浮き彫りにされており、発見の重要性は極めて高いものとされます。
「同様の壁画は他の地域では見つかっていない」と、発掘チームを率いるウィリアム・サトゥルノ氏は語っています。

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 リング・ナンバーは、惑星の周期の基準日を確立する際の逆算に使用されていた記号法であり、その付近には、主要な暦や惑星の周期と一致する間隔の数字の配列が確認できました。 
 計算では約7000年先の日付が示唆されており、2012年で世界が終わるとするマヤ文明の予言を否定する裏付けになるそうです。

 発見された遺構は古代マヤ文明の書記官の仕事部屋と考えられており、絵文書は、年の運命の予測を目的として高度な計算で埋め尽くされていたと考えられています。また、壁の数字は「化学の教科書にあるような、元素の周期表に似た表形式で描かれていた」といいます。

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 盗掘されていたにもかかわらず、ほぼ完全な状態を示す壁画。
「3つの無傷の壁に、絵が残っている。頭と胸に白い円板を着けたオレンジ色の肌の男性は、おそらく書記官本人だ」とサトゥルノ氏は話しています。
 また、発見された象形文字は9世紀のもので、これまで最古とされていた樹皮の本に記されたマヤの絵文書(1300〜1521年)から見つかった暦よりも数百年古いのだそうです。

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 調査チームのリーダーサトゥルノ氏は声明で次のように述べています。
「どんな結末が待っているのかしっかりと見極めたい。マヤ人は自分たちの生活がこのまま無事に続くと信じたかったのだろう。終末論とは完全に異なる考えを持っていたと思う」。





(source.ナショナルジオグラフィック / Mail Online / AFPBB News)

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