子供たちが素手でライオンに触れることのできる動物園があるようです。もっとも、それは剥製のライオンなのですが。
パレスチナのガザ地区南部最大の都市ハンユニスにある動物園は、いくつかの剥製の動物を展示しています。奇妙な光景ですが、それは仕方のないことでした――と、園長の Mohammed Awaida 氏は述べています。
これら剥製の動物たちは、イスラエルの軍事行動により世話をすることができず、餓死させてしまった動物たち。
一時は廃園を考えた動物園でしたが、今では剥製の動物を展示することで、ガザ地区の数少ない娯楽施設としての運営を続けています。
園長によると動物園が開園したのは2007年。しかし開園の翌年にイスラエルによって行われた軍事攻撃で、約3週間の間、動物たちを放置せざるを得なくなってしまったのだそうです。
一時は廃園も考えたと語る園長ですが、ふと餓死した動物たちを剥製にして展示するというアイデアを思いついたそうです。
興味深いことに、パレスチナでは剥製を展示した動物園の例は他にもあるらしい。例えば、かつてのパレスチナ蜂起中に死亡したブラウニーというキリンも剥製にされ、西岸の都市 Qalqilya において展示されました。9年前の出来事だそうです。
もっとも、作業を行った園長は剥製に関してはズブの素人。
ホルムアルデヒドとオガクズを用意し、インターネットで技術を学びながら見よう見真似で剥製にされた動物たちに、ハエがたかるのを食い止めることは困難なようです。
(Via.Oddity Central / TIME.com)
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