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 最初にネタバレしておくと、1978年にヒトラーの私生児として話題になったジャン=マリー・ロレに関してなのですが、一旦は否定されたヒトラーの息子説に新たな証拠が出てきたようなのでご紹介。

 まずマリー・ロレ氏について軽く説明しておくと、彼がヒトラーの息子であると最初に発表したのはミュンヘン現代研究所の歴史学者ヴェルナー・マーザー(Werner Maser)博士。

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(ヴェルナー・マーザー博士)

 博士は1978年6月に「フランス人のジャン=マリー・ロレがヒトラーの息子だ」と主張しまして、一方のロレ氏は母親のシャルロッテ・ロブジョワが16歳の時に、第一次世界大戦時にドイツ軍伍長だったヒトラーに出会い、彼を授かったと母から聞いていると証言。

 あくまでも「可能性」の問題であり、後に一人のジャーナリストの発表により博士の説は否定されてしまうのですが、今回はその説に新たな証拠が発見されたとして、13日から外信が一斉に報道したというわけです。

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(ジャン・マリー・ロレ氏とヒトラー)

 皮肉なことに戦時中のロレ氏はナチス侵攻に対抗するためにマジノ線での対独レジスタンスに参加しており、“クレメント”というコードネームまで与えられていたそうです(Independent)。

 今回報じられた新たな証拠は、当時イギリス軍に所属していたレオナルド・ウィルケスという軍人の”日記”。

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(左がレオナルド・ウィスケス、右が日記を発見した息子のアラン氏)

 記事によると、ウィスケスは1944​​年6月にノルマンディー上陸作戦のためにフランス北部に上陸、数カ月後の日記にこれらの記述を残しています。
 曰く「今日は実に面白い日。ヒトラーが最後の戦争(第一次世界大戦)に伍長として滞在していた当時に逗留していた家を訪れたのだ」。

 記述はなおも続き、それによると、「その家でヒトラーの赤ん坊を産んだという女性と出会った。ヒトラーの息子は現在、フランス軍と共にドイツと戦っていると語った」と記しているそうです(FOX news)。

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(発見された日記の一部)

 当のロレ氏は1985年にこの世を去っていますが、生前の氏は自分の父親がヒトラーかもしれないということに思い悩んだ時期もあったそうです。
 ヴェルナー・マーザー博士の説は2008年にベルギーのジャーナリスト、ジャン=ポール・ムルダーがヒトラーの血縁者のDNAとロレ氏のDNAを専門機関で検査させるという検証によって否定されてしまうのですが、依然としてヒトラーの息子説を信じる人々は存在しています。

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 今回の発見は肯定派にとっては追い風といえるものなのでしょうか。
 可能性の問題を取り上げればキリがありませんが、少なくともロレ氏が「自分がヒトラーの息子である」と母親から聞いていたとする証言については、裏付けといえる記録が見つかったことだけは言えそうです。

(Via.Mail Online / 他多数)

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