ナショナルジオグラフィックによると、1億2500万年前の小型恐竜ミクロラプトルの4本の翼は“玉虫色”に輝いていたことが判明したそうです。
ミクロラプトルは白亜紀前期に生息していた「竜盤目 - 獣脚亜目 - ドロマエオサウルス科」に属する小型羽毛恐竜のこと。
大きさはハトほどで、現生のカラスやオオクロムクドリモドキのように青い光沢を持つ黒色で、日光を反射して輝いていたらしい。もちろん、光沢を放つ羽毛を獲得した最古の例とみられています。
(再現図。後肢の羽根を除けば、現生の鳥と見まがうばかり)
(TOP画像の全体図)
研究を率いた米テキサス大学の古生物学者ジュリアーノ・クラーク氏によれば、鳥類や恐竜で「これほど古い証拠は初めてだ」とのこと。
研究チームは電子顕微鏡を用いて、メラノソーム(※メラニン色素を含む微細構造)を現生の鳥類と比較。
それによると、ミクロラプトルのメラノソームは細長くシート状に並んでおり、現生鳥類の玉虫色に輝く羽毛と一致するそうです。また、ミクロラプトルは尾羽の光沢で異性の気を惹いていたともみられています。
(上画像は現在の鳥の羽)
新たな知見として挙げられるのは、ミクロラプトルが夜行性の鳥であったという従来の学説との矛盾。光を反射する玉虫色の羽毛を持つ夜行性の鳥類は現存しないことからも、ミクロラプトルが夜行性だったとする仮説が覆される可能性が高まってきたそうです。
(かつては比較的カラフルなイメージで捉えられていた)
また、ミクロラプトルは現代の鳥類のように空を飛ぶのではなく、木々の枝から枝へ滑空していた可能性があらためて裏付けられたそうです。
(上下ともにミクロラプトルの化石)
2003年に初めて新種の恐竜として認められたミクロラプトル。
長い尾の役割についてなど不明な部分が多いとしつつも、今回の研究では鳥類がどのようにして飛ぶ能力を獲得していったかについて、新たな手掛かりが得られたとしています。
アメリカ自然史博物館のマーク・ノレル氏は、「当時の姿を知る貴重な手がかりだ」と声明で述べたそうです。
(source.ナショジオ / National Geographic:News / AFP)
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