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 食物連鎖を数値化するある方法では、ヒトは食物連鎖の中でスルメイカと同等かそれ以下という驚くべき数値が現れたそうです。

 その新手法を開発したのは日本の海洋研究開発機構。
 同機構の力石嘉人主任研究員らが開発した手法は、食物連鎖の頂点にいくほど、細胞内の2種類のアミノ酸に含まれる“窒素15”というタイプが一定の割合で増える点に着目したというもの。

※画像1
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 ご存じのように食物連鎖は光合成でエネルギーを得る植物を底辺とし、肉食動物を上位とするピラミッドで構成されます。つまり植物をエサとする草食動物が第一次消費者であり、その草食動物を捕食する肉食動物が第二次消費者、以後第三次、第四次....といった具合。
 もっとも雑食性の生き物もいるわけで、消費者間の捕食と被食の関係は数値化が複雑でした。例えば、海藻や貝、魚など様々な動植物を捕食するカニがどこに位置づけられるのか、これまでは詳しくわからなかったのだそう。

 複雑な生態系を理解するうえでの一助として期待される今回の新手法は、窒素15を基準とし、植物を1として生物を原則1〜5にランク付けするというもの。

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(参考:人間を頂点とした場合の連鎖図)

 その結果、イワガニは小魚と動物プランクトンの中間の2.5、小魚と動物プランクトンの両方を食べるスルメイカでは3.6と判明。陸上動物ではブロッコリーが1、青虫が2、アシナガバチが3として判別できたそうです。
 で、人間の場合は食生活にもよるそうですが、2の前半から3の後半に該当するらしい。画像1を参考にすればクロダイやイワガニ、ウルメイワシと同等という笑えない結果に。

 もっとも、2前半~3後半というとかなり幅広く感じられます。
 これが人の食生活、すなわち食文化により変動するのであれば、ヒトの民族間でのピラミッド形性も必要になってきそうです。個人的にはあまり見たくありませんが。

 ちなみにこの手法、将来的には放射性物質や重金属が、食物連鎖を通じて人体にどれほど取り込まれるかの推計などに期待されているそうです。

(Via.人間、イカと同等かそれ以下の可能性 - EUROPA(エウロパ))

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