ハエトリグモの1種、学名:Phidippus clarus
(画像はハエトリグモの1種、学名:Phidippus clarusのメス)

 スミソニアン熱帯研究所による新たな研究によれば、小さな蜘蛛は体のサイズに比べて非常に巨大な脳をもっており、種類によっては脳の一部が体にあふれ出していることがわかったのだそうです。
 この研究により、体長1ミリにも満たない小さなクモが、大きなクモ類と同じくらい上手に網を張ることのできる理由が説明できるかもしれません。

 研究を行ったのはスミソニアン熱帯研究所の研究員で、コスタリカ大学教授のビル・エバーハード氏が率いる研究チーム。エバーハード教授らはこの研究のために、いずれも網を張る性質をもつ6つの科に属する9種のクモを調査したそうです。
 その結果、小さなクモほど体のサイズに対する脳の比率が大きいことがわかり、中には中枢神経系が身体の容積の80パーセント近くを占め、脚の中にまではみ出している種もあったらしい。

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(網を張るコガネグモ科 コガタコガネグモ)

 エバーハード氏によると、体の容積のうちこれほど大きな部分を脳に取られると、他の器官に問題が生じるようにも思える、とのこと。
 その点についてはまだあまり研究が行われていないそうですが、一方で、クモ類が大きな脳と引き換えに何かを犠牲にしていると考えるのも早計なようです。例えば、別の研究で調査が行われたハエトリグモの1種では、成虫の消化器系が腹部ではなく頭胸部の中にあるのだそう。

 おそらく、網を張るという行動は、例えば「甲虫の幼虫がただ目の前の菌類を食べ進めていく」というような行動よりも複雑で、大きな脳を必要とするのだろうと、エバーハード氏は研究論文に記しています。

 クモの脳についての研究は「Arthropod Structure and Development」誌の11月号に発表されました(備考:誌掲載の論文要旨 / 英文)。

(※この記事は要約です。詳細についてはソースをご参照ください)

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