以前にご紹介したことのある、南アフリカ共和国マラバ地方で発見された200万年前の霊長類の骨格、いわゆる「セディバ猿人」の骨格ですが、復顔がなされ生前の姿がより正確にわかるようになりました。
セディバ猿人の骨格からは現生人類と猿人の特徴を併せ持つ特徴がみられ、道具を作り使用していた可能性が浮上していることから、ミッシングリンクを埋める存在なのではないかとの推測がなされ注目を集めています。
復顔を担当したのは John Gurche 氏という専門家によるもの。2008年に南アフリカの洞窟から発見された化石は少なくとも5体分に及んでおり、主な研究の対象となっているのは10代前半とみられる少年と30歳前後の女性の骨格でした。
復元されたのは、より完全な姿をとどめていた少年のもの。
便宜上「カラボ(Karabo)」と呼ばれているセディバ猿人ですが、学名を「アウストラロピテクス・セディバ(Australopithecus sediba)」といい、発見者はホモ・ハビリスか、ホモ・エレクトスの直接の祖先にあたる可能性があるとしています。
研究者を特に驚かせたのはカラボの手の特徴でした。
ヨハネスブルグのウィットウォーターズランド大学の進化生物学教授であるリー・バーガー氏によると、「それはこれまでに見たことのないもの」だったそうです。その手は霊長目に見られる拇指対向性を備えており、「道具を作り使用できる手のように見える」。また原始的であるとはいえ、「これまでに発見された他の何よりも人間と特徴を共有している」と語っています。
バーガー教授は、「この復元手法が最も正確なものだ」と述べた上で、カラボの鼻は人間によく似ており、口元の皺には人間のように笑顔を浮かべることのできた特徴がみられるとしています。チンパンジーは笑顔を浮かべることができず、それは人間のみに見られる特徴だそうです。
公開の復元された顔では、想像によるものは毛髪の配置と肌のトーンのみだそうで、カラボの小さな歯は、彼らが調理を行い食品を処理していた可能性さえうかがえるとしています。
(source.Mail Online)
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