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 グァテマラにあるマヤ文明の遺跡『 ナクム遺跡(Ruinas de Nakum)』のパティオ(中庭)エリアの東側に位置するピラミッドは、当初は建造物15号という無味乾燥な名前で呼ばれていました。その小さなピラミッドは、2006年の発掘開始以前は鬱蒼としたジャングルに埋没し、土と植物に覆われた小さな丘だけがその存在をほのめかすに過ぎなかったそうです。

 発見された2つの王墓、ひとつは1300年前のもので、驚くべき発見はその下の層からなされました。約2000年前のものと思われる墓から発見された遺骨は、「古代マヤの女王」のものと推定されています。

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(※ナクムのピラミッド内部へ降りていく考古学者たち)

 研究の共著者で、ポーランドのヤギェウォ大学考古学研究所に所属するビエスラフ・コシュクル氏は述べています。
「マヤ人は東という方角を重要視している。私は2003年から、ナクムに王墓が存在するなら、この建造物から見つかるはずだと予想していたのです」
 コシュクル氏らのチームは「文化トライアングル」と呼ばれるナクムとその周辺地域を数十年にわたって調査してきました。

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(ナクム遺跡。神殿や住居などを組み合わせた小規模な5つのアクロポリスが確認されている。参考

 墓の第一層に入った時、研究チームは床にひび割れがあることに気付きました。床を切り穴をあけてみると、さらに深い墓(第二層)が見つかった。
 コシュクル氏によると、「発掘した層の下には、さらにいくつかの墓があると思われるが、われわれが発掘のために開けた穴はとても狭く、すべてを掘り出すことは不可能だ」とのこと。

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(※建造物15号の上層を発掘する考古学者たち(2008年撮影))

 上の層からは翡翠ののど当てやビーズ、儀式用のナイフなどの貴重な副葬品が詰まっていました。また埋葬されてから200年の間、捧げ物が続いていたとみられたことからも、埋葬されているのが高位の人物であることは明らかだったのだそうです。

 そして下の層、2000年前の墓から発見された遺体の頭部は、なぜか2つの鉢状の容器に挟まれていました。なぜ容器をかぶせて埋葬したのかについては研究チームにもはっきりした理由はわからないものの、「ティカル遺跡でも同様の例が見つかっている」そうです。

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(※遺骨の頭にかぶせられていた容器)

 また、墓から見つかった王族の性別もチームを驚かせました。近隣にある他の都市からも女性の支配者がいたことを示す証拠は見つかっていますが、マヤ文明においては“女王”は少ないのだそうです。

 ワクワクしますね。今後の研究成果を待ちたいところです。

(source.ナショジオ / / / / )

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