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 ご覧の画像のように、遺伝子操作で“緑色に発光する”猫を生み出したのは、メイヨー・クリニック(米ミネソタ州ロチェスター)のエリック・ポエシュラ博士率いる研究チーム。
 研究は猫の後天性免疫不全症候群(AIDS)を遺伝子レベルで予防する研究の過程で生まれたもので、猫の卵母細胞にウイルスを使って緑色蛍光タンパク質(GFP)を挿入することで誕生しました。

 緑色蛍光タンパク質(GFP)は、2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が、光るクラゲから抽出することに初めて成功した物質。今回の研究では猫免疫不全ウイルス(FIV)を抑える働きを持つ、サルの遺伝子を猫の卵母細胞に注入し、その後受精させました。
 GFPは遺伝操作を行った部分を判別しやすくするために組み入れられるもので、これによって猫の細胞は緑色に発色するというものらしい。

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(ご覧のように光の下では普通の猫)

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(暗闇では怪しい緑色の光を放ちます)

 発表では3匹の子猫が無事に成長し、暗闇で特定の波長の光をあてるとGFPが発現している全身が緑色に光ったらしい。また、遺伝子操作された卵母細胞から生まれた猫の細胞を採取したところ、FIVいわゆる猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群)への耐性を示したそうです。

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(子猫の爪、毛、ヒゲは緑色に発光します)

 これらの「耐性」を持つたんぱく質は、猫の体内で自力で作られており、遺伝子操作した猫同士を交配させたところ、生まれた8匹の子猫にはいずれも同様の遺伝子が引き継がれていたとのことです。
 エリック・ポエシュラ博士は、今後は遺伝子操作した猫を実際にFIVに接触させることで、ウイルスへの耐性があるかを確かめたいとのこと。また同様の研究を、猫エイズの感染防止の他にも、ヒトのエイズ研究にも役立てたいとしています。

(source.ロイター / Mail Online)

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