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 単なる感動ではない、心揺さぶられる動画が世界中で話題になっています。

 ご紹介するのは、HIV(エイズ)ウイルスに対する研究のために“狩り集め”られ、過酷な実験のために陽の光から遠ざけられ隔離されてきたチンパンジーたち38頭が、初めて日差しの下に解放された動画。
 ご存じのようにヒトとチンパンジーのDNAはその99パーセントを共通しています。したがって、HIVという未知(だった)ウイルスの研究のためには彼らチンパンジーに白羽の矢がたつのは必然ではあったのかもしれません。
 しかし、彼らの運命はあまりにも過酷であったのです。

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 彼ら38頭は飼育下で生まれたものもいますが、そのほとんどは赤ちゃんの頃にアフリカのジャングルから連れてこられたチンパンジーで、その大半はウイルス実験のために過酷な監視下に置かれていました。そして彼らの母親はその全てが殺戮されたのだといいます。

 彼らを購入したオーストリアの研究室の目的は、エイズウイルスに対抗するためのワクチンを見つけることでした。
 そしてその研究過程で、彼らは実験材料として、HIVウイルスを注入されるなどの行為をその身に負わされる結果となりました。彼らは冷たい鋼鉄の檻に隔離され、様々の化学物質をポンプされ、その多くは発狂、もしくはそれ以上の苦しみにさらされていたのだそうです。

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 彼らが解放されたのは、環境保護活動家のマイケル・アウフハウザーさんらによる多大な努力の結果ですが、その活動がようやく実を結んだ時、閉ざされた檻での生活に終止符が打たれました。
 数年前にオーストリアの研究室を引き継いだのは、アメリカの巨大な製薬会社であるバクスター。同社は、これらのテストプログラムを引き継ぐ意図はないと発表しています。

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(※37歳のスージー。彼女は35年の長きを外の空気を知らずに生きてきた)

 今ようやく、スージー、デビット、クライド、リンゴー、モリッツら他の全てのチンパンジーは生体実験の地獄から解放されました。
 アウフハウザーさんは述べています。「何匹かのチンパンジーはHIVウィルスに感染していました。もちろん彼らはHIV陽性です。しかしそのどれもが末期のエイズにはなりませんでした。したがって、プログラムは何の役にも立たなかったのです」

(source.Meil Online)



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