Resomation

 イギリス・グラスゴーに本社を置くResomation社は、遺体を「アルカリ加水分解」することで骨以外の体組織を全部溶かし、個体から液体をきれいさっぱり取り去ってしまうという新たな埋葬方法を提案しています。

 同社がアメリカ・フロリダ州サンクトペテルブルクにある葬儀場に設置した遺体処理ユニットは、遺体を安全に処分するために歯科用アマルガムの完全な分離を可能にする溶液を用いており、火葬と比べると温室効果ガスの3分の1相当をカットすることが可能で、エネルギー消費も7分の1に抑えることができるのだそうです。

 旧来の火葬、土葬、国によっては鳥葬、風葬etc.に変わる「液状化葬」の新提案をプレゼンするのは、同社創業者の生物化学者サンディ・サリバン氏。



 遺体の液状化には以下の手順が必要なようです。

・棺桶から遺体をユニットに投入し扉をロック。
・内部に水と水酸化カリウムの混合液を注入。
・ユニット内部の圧力を10気圧に下げ、気温356F(180C)で2時間半〜3時間の放置。
・きれいさっぱり液状化(白骨化)。

 サリバン氏によれば、「廃液は無菌であり、DNAも含まれておらず環境へのリスクはない」とのこと。



 以上の手順により完全に白骨化された遺体は、遺灰メーカーにかけることで粉砕処理され、粉々の顆粒状に加工されます。

resomation2
(※イメージ)

 液状化に抵抗がある方には液体窒素で遺体を凍らせて粉砕処理する埋葬方法も用意されています。いわばフリーズドライ埋葬みたいなものですが、こちらはスウェーデンの生物学者 Susanne Wiigh-Masak 氏が提唱した「Promession」というメソッド。

Promession

・液体窒素で遺体を凍らせる。
・振動で粉々バラバラにする。
・乾かして粉末化し、フィルターを通してアマルガムなどの異物を除去。
・粉を生分解性の棺桶に詰めて埋葬。

 この「Promession」を使えば、遺体は完全に有機的にグリーンをはぐくむ土に還るというわけです。「キッチンや庭ゴミが土になるには通常2〜3週間かかります」と Wiigh-Masak 氏は語っています。

(Via.ギズモード ジャパン / New body 'liquefaction' unit unveiled in Florida funeral home

死体入門 (メディアファクトリー新書)死体入門 (メディアファクトリー新書)
藤井 司

メディアファクトリー 2011-02-28
売り上げランキング : 40454

Amazonで詳しく見る
by G-Tools