falkirk wheel 15

 スコットランドのフォース・アンド・クライド運河とユニオン運河をつなぐファルカーク・ホイールは、エリザベス2世の王位就任50周年の記念式典の一部として2002年に開通した、回転式のボートリフト(船舶昇降機)。

 どこか現実味を欠いた光景に感じられるホイールの直径は35メートル、左右の腕は中央の軸から15メートルほどの大きさ。巨大な歯車で回転される美しいボートリフトです。

02
falkirk wheel

 2つのケーソン(船舶を浮かべる水槽)の水の容量は、それぞれ8000英ガロン(約36.37立方メートル)であるといいます。

03
falkirk wheel 3

04
falkirk wheel 4

05
falkirk wheel 5

 ケルトの双頭斧(ラブリュス)を模した二本の腕が、ケーソンを昇降させるわけ。動力はもちろん電気ですが、どこかスチームパンクを思わせるようなアナクロニズムがありますね。

06
falkirk wheel 6

07
falkirk wheel 7

08
falkirk wheel 8

 双方の運河の高低差は24メートルあり、8階建てのビルの高さに相当するとのこと。
 もちろん、通常であれば船舶が運河を行き来することはできません。ボートリフトはその問題を克服するために考案された“運河エレベーター”のことで、さながら観覧車のように船舶を上方の運河へ移動させるというわけです。

09
falkirk wheel 9

10
falkirk wheel 10

11
falkirk wheel 11

12
falkirk wheel 12

13
falkirk wheel 13

 ファルカーク・ホイールは世界唯一の回転式ボートリフトであり、スコットランドの技術上のランドマークとなっています。ファルカーク・ホイールにおけるケーソンの重さはアルキメデスの原理に準じており、船を載せている時、乗せていない時に関わらず、常に600トンを保っています。

 この回転機構はファルカーク・ホイール独自のものであるとのこと。運河の用途が変容した現在では、レジャー・観光資源の創出のための大規模プロジェクトの一部となることを期待されています。

14
falkirk wheel 14

15
falkirk wheel 16

16
falkirk wheel 17

 ホイールは直径4メートルのベアリングに支えられ、軸ごと回転します。回転軸受けには遊星歯車機構が採用されており、備え付けのベアリングに組み付けられた10基の水力モーターを動力としています。

17
falkirk wheel 18

18
falkirk wheel 19

19
falkirk wheel 20

20
falkirk wheel 21

21
falkirk wheel 22

22
falkirk wheel 23

23
falkirk wheel 24

 アルキメデスの原理に従い、常にホイールのバランスが保たれるために、巨大な動力にも関わらずファルカーク・ホイールの消費電力は低い。
 動力は22.5キロワットの電気モーターに過ぎず、4分の運転に必要なエネルギーはわずか1.5キロワット時。ヤカン8つ分の水を沸騰させる程度のエネルギーに抑えられています。

24
falkirk wheel 25

25
falkirk wheel 26
(Via.The Surreal Appeal of the Falkirk Wheel)

スチームパンク造形作品1000スチームパンク造形作品1000
ドクター・グリム

グラフィック社 2011-07-07
売り上げランキング : 14722

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 動画:Falkirk Wheel (8x speed)