ペニシリン、スペースシャトル、コンピュータに人工心臓、様々の発明により自身の環境を進化させてきた人類。ではこの先、人間自身に進歩あるいは進化の道行きは示されているのでしょうか?
ある特定の科学者の主張が正しいのだとすれば、少なくとも知能の面でヒトが進化する答えはどこにもないということになります。彼らは人間の脳力はすでにピークに達しており、我々人間が、よりスマートな存在になることは物理的に不可能だと主張しています。
(人の脳を模したニューラルネットワーク)
ケンブリッジ大学の研究者たちは脳の構造を分析することで、その細胞がどれくらいのエネルギーを消費するかについて調査を行いました。
神経生物学の教授であるサイモン・ラフリン(Simon Laughlin)氏はこう述べています。
「脳が機能するためにはエネルギーを消費しなければならない。そしてこれらの必要条件が我々のパフォーマンスを制限して、既存の脳のデザインを要求することを我々は証明しました。新しい発想を求めるためには常に新しいソースから情報を関連付ける必要があり、このような推論の広範囲にわたる力は大変なエネルギーを要求します。そのようなエネルギーの需要は、おのずから我々の処理できる情報には限界があることを意味しています」
他の科学者もまた、脳の“配線”や互いに異なる領域を結ぶ脳のネットワークが、頭脳の限界を決めていると主張します。
(進化の終わり?)
脳のイメージング画像を専門とするエド・バルモア(Ed Bullmore)精神科教授は、脳の異なる部分が互いに通信を行う際の効率を測定し、普通の人々とよりインテリジェントに優れた人々では、後者のほうがより迅速にネットワークによる交流を行っていることを証明したとし、「脳ネットワークの高い統合は、より高いIQと関係しているようです」と述べています。
オランダにあるユトレヒト医療センターの Martijn van den Heuvel 助教授は、「今以上に脳の力を大きくしようとすると、エネルギー消費量の不均衡な増加を招くことになるでしょう」と述べた上で、こう言います。
「遠い未来についてを予想することは危険です。しかし人の知性については、厳しい制約があるのは明らかなことです」
(source.The end of evolution? Scientists say human brain may have reached full capacity - Mail Online)
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