lesser-water-boatman-corixa-punctata-wikipedia

 99.2デシベルといえば、本格的なオーケストラを最前列で聴く、あるいは15メートル離れたところを疾走する貨物列車に相当する音量だそうですが、ある種のミズスマシはそれに匹敵する求愛の音を発生させるそうです。
 しかもその轟音を出す器官が生殖器というのですから、驚かされます。

 ミズスマシ科の『Micronecta scholtzi』と呼ばれる甲虫のオスは、洗濯板を木さじで擦るように、自らの生殖器(genitalia appendage)で腹部を擦ることで99.2デシベルに及ぶ音を発することができます。その音はとても大きく、水の中で99パーセントの音は失われてしまうとはいえ、「この小さな生き物が川底で出す音が、土手を歩く人にも聞こえるほどだ」と、英ストラスクライド大学のジェイムズ・ウィンドミル氏は語ります。

water boatman (Micronecta scholtzi)

 体の2つの部分を擦り合わせて音を出すことを摩擦発音(stridulation)といい、バッタやクモなどさまざまな昆虫で見られる生態とのこと。哺乳類で摩擦発音を発する唯一の生き物は、マダガスカルに住むシマテンレックというハリネズミに似た生き物で、針状の体毛を擦り合わせて音を出すらしい。

 ミズスマシ科の『Micronecta scholtzi』の音を出す領域は幅が50マイクロメートルしかなく、これは人間の髪の毛の幅にほぼ等しいらしい。
 ウィンドミル氏の研究チームは、水と陸のたくさんの生物が出す「音圧」を測定して、生物たちが出す音の大きさと体のサイズの関係を調査ました。それによると、アフリカゾウが不満な時に出す声の大きさは117デシベルになりミズスマシを上回りますが、ゾウをミズスマシのサイズにすると、断然ミズスマシが勝っている計算になる。また、テッポウエビやキリギリスなど音を出す様々な生き物と比較してもミズスマシに軍配があがったということです。

(Via.「動物界第1位の轟音」をたてるミズスマシのペニス - Wired.jp)

水生昆虫完全飼育・繁殖マニュアル 普及版水生昆虫完全飼育・繁殖マニュアル 普及版
都築 裕一 猪田 利夫 谷脇 晃徳

データハウス 2003-04
売り上げランキング : 264763

Amazonで詳しく見る
by G-Tools