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 チェルノブイリ原発から約5キロメートル離れた土壌でダイズを栽培、収穫し、その組成を調べたところ、各種のタンパク質の割合が通常のダイズとは大きく異なっていることがわかったとのことです。

「史上最大級の原発事故の影響を受けた地域にすら植物が適応できるという事実には希望が持てる。だからこそ、植物にどうしてそんなことができるのかに興味を持った」
 そう語るのは、スロバキア科学アカデミーの Martin Hajduch 博士。
 Hajduch 氏らのチームは、かつてのチェルノブイリ発電所から約5キロメートルの地点にあるチストガロフカ村の近くに菜園を作り、ダイズの一種(Soniachnaという品種)を栽培して、できたマメを採取した。これらのマメをプロテオミクス(構造と機能を対象としたタンパク質の大規模な研究)のあらゆる最新の研究手法を駆使して分析した結果、汚染地域の植物には、身を守るためのさまざまな変化が起こっていることが分かったとのこと。

 汚染地域の植物と対照群との最大の違いは意外なものだったとありますが、「周囲にある他のタンパク質を輸送して体内の特定の部位に貯える能力があることで知られる、数百種類ものタンパク質の含有量が減っていた」と記事にはあります。このことは疾病や重金属、塩からの防御にも役立っているらしい。
 この変化の結果として、マメに含まれるセシウム137の量が極めて低かったことがわかったそうで、これらの植物が非常に過酷な環境で生きられる仕組みが科学的に解明されれば、それを手がかりにして、干ばつに耐えられたり、耕作の限界に近い地域で育てられたりするような、並外れて健康な植物を開発できる可能性があるとしています。

 ただし、これらのマメは健康で繁殖力も高いが、人間が食べられるほど安全ではないということです。

(※本文は要約です。詳細は参考元へ)

(Source.Wired Vision)

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事故・災害と生活を考える会 桜井淳

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