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 上の画像は妊娠中に梅毒に罹(かか)った女性のものだといいますが、避妊具の歴史をひも解くに当たり、単に避妊のみの側面をとらえては歴史の経緯を見誤る恐れもあるかもと個人的には思います。
 例えば男女ともに貞節を美徳とした西欧の価値観には、宗教的な背景はもちろん、性病感染に対するリスクを回避するための当時なりの合理性があったのではないか。先進国で唯一エイズの感染率が上昇し続けている日本の現状などは、決して誉められたものではないですしね....。

【コンドームの歴史】

 19王朝(1350〜1200年)の頃に描かれた壁画の再現。
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 動物の腸から作られたコンドーム。
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 1640年代のコンドーム。629482

 歴史上の四つの転機を示す(らしい)コンドームのポスター
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 1790-1810(年頃)のコンドーム
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 以下、様々の歴史上のコンドーム。
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 1600 - 1700年頃
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 動物の腸を素材としたコンドームは長く使用されたそうです。
 高価であったために繰り返し使用されていたともいいますが、感染に対する防御、あるいは(性的)喜びに対する「鎧」とも表現され、当時から感染症に対する危機感を抱いてきたことが感じられます。

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 上掲の画像は、冷静に歩く紳士に対して膨らんだコンドームを振りかざし詰め寄る人々と、犬を連れた幼い少年の対比を描いた、1785-6年頃のコンドームに対する風刺画。
 コンドームの売り上げは成長し、18世紀には様々のサイズや種類が売られていたといいます。ヨーロッパ全土とロシアのバー、ヘアサロン、薬局やマーケット、演劇場などで売られていたとか。


 19世紀に使用された、再利用可能のシームレスなゴム製のコンドーム。“パラゴン”という商標が読み取れる。10325331

 煙草のパッケージに偽装されたイタリア製のコンドーム。
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 1890年になると、現在の形に近いコンドームが生まれた。
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【番外編:アンチマスターベーションの器具】

 とはいえ、避妊や感染防止の最も確実な方法は性交を行わないこと。
 こういう倫理観も当然のごとく存在していたわけですが、現代のようにセックスレスの風潮があったわけではなく、宗教的な倫理観を背景とするものが根強かったようです。そういう時代には、いわゆる貞操帯の男性版も作られたらしい。

 19世紀、カトリックのフランスで用いられたというアンチマスターベーション器具。本当に装着できたのか?と思っちゃいますね。
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 こちらは過激な、電気式アンチオナニーマシン(フランス)
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 これもかなり怖い。
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 こちらは大英博物館の所蔵だというペンダントヘッド。戒めを常に忘れないためのものなのでしょうか(逆効果のような気も....)。
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 というところで。
 中絶は残酷な行為です。コンドームを使いましょう、みなさん。
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(Via.Старинные средства контрацепции)

関連エントリー:避妊具の歴史をたどってみる その1

コンドームの歴史コンドームの歴史
アーニェ・コリア 藤田 真利子

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