先日のニュースになりますが、都内で百十一歳の男性が一部白骨化したミイラ状態で発見されたという報道がありまして、ちょっと思うところがありました。
 思うところと言っても、別に自分が誰かの遺体を放置したとかいう話じゃなくて(笑)、なんでも、この男性が日本の長寿ランキング(?)で4位だか5位だかの上位にある方だったということで、それに関して興味深い記事を見つけましたもので。

 一応、ざっと元記事を引用しておきますと、
 東京の111歳男性、実は30年前に死亡していた ミイラ化で発見 2010.7.29 12:57

 全国の長寿上位に認定されていた東京都足立区の男性(111)が、実は約30年前に死亡していたことが29日、分かった。自宅で一部白骨化した状態で見つかった。
 男性は明治32年7月22日生まれ。今月26日に足立区の職員らが111歳の誕生日を祝って記念品を贈るために自宅を訪問したところ、81歳の娘が「父は誰とも会いたくないと言っている」と話し、記念品も辞退した。
 その後、53歳の孫が千住署を訪れ、「祖父は『ミイラになりたい』『即身成仏したい』と言って30年前に自室に閉じこもったままだ」と説明。直後に同署員が自宅でミイラ化した男性の遺体を発見した。
 足立区によると、高齢者の安否を確認していた地元の民生委員が男性に会うことができなかったため心配し、今年2月に区に連絡。区の担当者が訪問したが、この時も「本人が会いたくないと言っている」と家族に拒絶されていたという。
(引用終わり)

 ということで、約30年前に男性・加藤宗現さんは亡くなっていたということですから、男性が亡くなったのは80歳前後ということで、これだけなら別段、長寿ランキングを賑わすようなものでもないわけです。さて、そこで家族の言う、「祖父は『ミイラになりたい』『即身成仏したい』と言って30年前に自室に閉じこもったままだ」という証言を信じていいものかどうか。

 個人的な意見としては、こういうことって(即身成仏に関してですが)「あっても不自然じゃない」とは考えます。部外者だから(不自然と)言えるというようなことは、宗教的・環境的要素なども含め、世の中にはままあることですから。で、管理人が気になるのはこの一件の事件性云々よりも、こういう事態って、洗えば予想外に大量に見つかるのじゃなかろうか?、というところ。

 例えば、こういう記事があります。

「ふじながたかみの日本御臨終宣言」より、
 2009/9/27 第89.5回 現時点、信憑性のものすごく高い予言

 このブログでは、
 全国の100歳以上の高齢者が9月15日時点で過去最多の4万399人に上り、初めて4万人を突破したことが11日、「敬老の日」を前にした厚生労働省の調査で分かった。昨年を4123人上回っており、39年連続の増加。男女ともに過去最多で、女性が全体の約86・5%を占めた。

 ことに触れ、その中で、
調査は昭和38年に始まり、平成10年に1万人を突破。5年後の15年には2万人に達し、その4年後(19年)に3万人を超え、わずか2年で4万人台となった。増加のペースが加速しており、高齢化社会が急速に進んでいる状況が浮き彫りになった。

 との厚労省調査のデータを示しています。
 それよりも気になるのは次項の部分で、150歳以上の高齢者が続出するだろうという辛坊治郎さんの予言を示しながら、
150歳というのは医学的にはありえなくても、社会学的にはありえるのです。

 と書いています。
 よくよく考えてみれば、これは怖い。ちょっとした怪談話ですよ。

 それは「たかじんのそこまでいって委員会」というTV番組での辛坊さんの発言だったそうですが、
辛坊「最近地方自治体の、今年の敬老の日に――皆さんは気が付かれましたかね? 昔は名物だった長寿番付っつうのが、軒並みなくなってるんですよ」
やしきたかじん「ああ、よう出てるよなあ」
辛坊「昔は「ベスト10は何位ですー」。ところが今、一番上の人も実は匿名であったり、仮名ね、実名が出てたり、っていう。何が起きてるかというと…」
たかじん「老人…は、あんま、ニュースで…?」
辛坊「もう、だから、もう軒並みね、名簿廃止なんです。で、一つはプライバシーの保護なんです」
(中略)
辛坊「一つはプライバシーと個人情報保護なんです。もう一つは何があるかというとですね――これ、ちょっと恐ろしい話なんですが――、最近ちょっと事件が結構あるんですけど、中高年、仕事がないと。で、だんだん世代が下にいくほど年金制度が悪くなっていくわけですよ。ね。とすると、自分の親の代のほうが年金はずっと高い。何が起きるかというと、その下の世代が親の年金で飯食うてる人がものすごい社会的に増えてきてんです。この人たちにとって一番困るのは、親が死ぬことなんです。親が死んだら年金もらえなくなるんです」
宮崎哲弥「じゃ、死亡届出さないんだ?」
辛坊「死亡届出さないんです」
(中略)
辛坊「そうすると、親を極端な話――実際あった事件ですけど――、埋めて、……殺すわけじゃないですよ。自然に亡くなったんだけれども、届け出して火葬にするとバレてしまうから、そのまんま穴掘って埋めて、自分がなりすましてそのまんま、年金をもらって生活してる人が現実にいて、摘発されることも何回か過去にあった。何が起きてるかというと、本当は死んでるんだけども、役所のデータ上は生きてるという高齢者が」
宮崎「あ、それで150歳以上なんだ!」

 どうです、怖いでしょ?
 これなどはこのまんま、今回の事件に当てはまるような気がする。そうすると今回のことは明らかな事件性を帯びてくるんですが、それを立証できるかというと難しい気がする。立件するとしても年金(遺族共済年金および老齢福祉年金)の不正受給くらいしか出来ないのじゃないかな、と。もちろん殺人じゃないわけだろうし。

 ※余談ながら、加藤宗現さんの妻は6年前に亡くなったそうなんですが(04年8月、101歳で死亡)、これに関しては遺族共済年金が宗現さん名義の口座に振り込まれていたそうで、少なくとも宗現さんの妻に関しては遺族が死亡届を提出していたということがわかります。
 引用元:MSN産経ニュース

 これなどは不可解に思える要素の一つで、宗現さんの一件が単なる年金目当ての犯行だったと考えていいものかと思わせますし(もちろん要素の重要な一つだとは思いますが)、即身成仏という言葉もあながち嘘だと言いきることもできないのかな、と思えます。管理人は宗教的要素を信じる者の心理を、法律で解釈することは不可能だと考えていますんで。
 余談終り。

 で、それに関しても、同じ番組内で、
辛坊「というのを昨日スタッフに言われて思いついて、今日私、厚生労働省に電話したんです。なんで電話したかというと…。あの100歳以上、今年日本で発表になったのが40399人なんですよ。厚生労働省に今日私電話して、「この人たちは本当に生きてるんですか?」って厚生労働省に聞いたんです。そしたらその担当の方は「多分、生きてないと思います」」
一同「えーっ!」
辛坊「はっきりそう言いました。「どういうことですか?」って聞いたら、この40399人というのは住民基本台帳に載ってる100歳以上の人で、実は――今回はまだ4万ぐらいだから追跡調査ができるんで――自治体がひとりひとり確認に行ったら、確認できた人は、21603人なんです」
たかじん「半分や」
辛坊「だから、「それ以外の人は生きてるかどうかわかりませんなぁ」。だから、実は4万というのは参考データで、確認取れてる100歳以上は、2万人、(住民基本台帳上の100歳以上のおよそ)半分なんです」
たかじん「ほんなら、どっかでまだ、年金で食うてるヤツが…」
辛坊「よう〜けいると思います。これからどんどん増えますよ。150どころか、200、300は当たり前」

 さすがに200、300というのはどうかと思いますが、例えば厚生年金・国民年金情報通などを見ていますとですね、
日本国内の100歳以上の高齢者人口は、平成元年には日本全体でわずか「3,078人」(男性:630人、女性:2,448人)しか存在しなかったものが、平成19年には日本全体で「32,295人」(男性:4,613人、女性:27,682人)となり、わずか20年ほどで総数10倍以上になりました。

※関連:同時期の日本人の平均寿命(厚生労働省「簡易生命表」)は、平成元年には男性:75.91歳、女性:81.77歳だったものが、平成19年には男性79.19歳(+3.28歳)、女性85.99歳(+4.22歳)となっています。

 となっていまして、平成元年〜19年の間で100歳以上の高齢者人口が10倍以上にまで伸びているという数字が示されています。こうなってくると、こうした数字などというのもにわかには信じられなくなってくる。
 わずか20年足らずで高齢者人口が10倍にまで伸びることを、巷間よく言われるような医学の進歩などと頷くことは、もはや俺にはできません。
総人口に対する100歳以上高齢者の人口割合は?

総務省統計局「平成18年10月1日現在人口推計」によると、日本の総人口は1億2777万人となっていますので、この数字を用いて総人口対100歳以上高齢者人口割合を計算してみると・・・

3万2,295人÷1億2777万人≒0.00025275%
→「0.00025275%」

人口10万人あたりの100歳以上人口は何人?

10万×0.00025275≒25.3人
→「人口10万人当たり、約25人が100歳以上」

何人に1人が100歳以上高齢者?

1億2777万人÷3万2,295人≒3,956人
→「日本の人口の3,956人に1人が100歳以上高齢者」

 これなどは、上記「この人たちは本当に生きてるんですか?」と厚生労働省に聞いたという辛坊さんに対して、「多分、生きてないと思います」と答えた厚労省担当官の答えなどを当て嵌めて考えてみると。

 本当は死んでいるはずの高齢者が、データ上では生きている。
 しかも毎年のように増え続けている。

 ちょっとした夏の怪談話ですねえ、これは。

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