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 今更ながら感想を書いておきます。

 まずこれまでのエントリーでも述べてきたように仕事人2009では作劇の軸がぶれるというか、複数個所に散らばっていることが多く、それがこの回においても顕著となっています。
 現代劇に慣れきった人には伝わりにくいかもしれないけど、時代劇のファクターというのはまず軸がシンプルであって、そこへの肉付けで物語を作成するというのが基本的なものです。
 もちろん、時代劇の物語や人間ドラマが単純であればそれでいいなどと言っているのではなく、少し別の視点からのことです。

 例えば今回の話では、小五郎たち仕事人に敵対する側というのは、まず老中の加納実守(演:杉本哲太)がおり、奉行所があり、謎の鬼面仕事人がおり、また大老の松坂忠宗(演:神山繁)がおり、といった具合になっています。
 その内で大老の松坂は自らを暗殺しようと企てた加納に結果として組みする形となっており、簡単に言うと、

 仕事人vs大老+老中+奉行所+鬼面仕事人

 という、ちょっと信じられない構図になっています。
 また、時の大老から仕事人探索の密命を受けた雨宮にしたところが、今や公儀吟味役として登城のかなう立場であるらしい。

 どうだろう、この権力のインフレ率は(笑)

 例えるならば、小沢一郎が麻生総理を暗殺するためにクーデターを画策したら、実は前原誠司が自民党のスパイだった、という感じ?
 んで、ローゼン閣下が前原に、

「ゴルゴ13を探せ」

 と命令するわけだな。それで半信半疑な前原が後輩を頼って、「なあ、どこかにゴルゴ13っていねえかなぁ?」と相談を持ちかけると、その後輩がデューク東郷本人だったと。

 まあ、上の例えは冗談だけど。
 なんというかな、描かれるシチュエーションのことごとくが“ビミョーに違う”のよ。一つ一つを例にあげることもできるけど、ウザくなるだろうから書かない。当たり前のことを説明するくらい不毛な作業はないし。

 ただ脚本が、この「ビミョーに違う」というのを皮膚感覚として理解できてないのが決定的に腑に落ちかねるというか、気持ち悪い。

 とはいえ仕事人たるもの、江戸城で家康のキセルを吸ったこともあるし、オランダ商館にも乗り込むし、ウエスターンなアメリカへ気球で渡ってジェロニモと共闘したこともあるくらいですから、老中ごとき額にとまったハエみたいなもの。んなことわかってる。
 過去の必殺との違いは、冗談を冗談と認識できているかいないかの違いにあるに違いない。

 さて。

 細かいところ(ではないんだけど)は置いておくとして、それでも今回の話は物語としては一応まとまっていたと思いますよ。最後の大立ち回りは久しぶりにワクワクしたし。
 それくらいは持ちあげておこうと思います。

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