ネタなき時の、必殺頼み。
　�，箸△襪發里痢↓△�ある保障はありません(笑)

　さて今回、「必殺におけるスタンダードとは何ぞや？」という切り口で語ってみたいと思います。
　とは言いつつ、実は以前のエントリで「必殺は時代のニーズに合わせて有機物のように変化する」作品と、一応は結論づけてはいるんですよね（もちろん、自分なりにという意味です）。

　当該エントリ

　で、これを考えるにあたって、角川書店発行のザ・テレビジョン文庫『必殺シリーズ完全闇知識／瞬間(ひととき)の愛編（平成13年発行：絶版）』という本の座談会収録内に、面白いやりとりがあるんです。
　※ちなみに鼎談のメンバーは、京極夏彦氏(小説家)、山田誠二氏(脚本家)、酒井信行氏(映画監督)、の三方です。

　以下引用。


編　『必殺シリーズ』の中で、代表作っていったらなんでしょうね？
山田　「This is 必殺」って言えるのって、多くないと思うんですよ。
酒井　逆に言ったら、「This is 必殺」ていうもの自体がないからね。
京極　そういう意味では、一番長く続いた『仕事人』およびその続編が、一般的には「This is 必殺」なんじゃない？
酒井　そうだろうねえ。
京極　それを外すとなると、『仕掛人』になっちゃうんですよ。


　引用終わり。

　要するに「This is 必殺」なるものを一般化したところでのスタンダードは『仕事人』、さらに下れば『仕掛人』に行き着いてしまう、というお話ですよね。
　結局はオリジナルに帰結するという意味では、ありとあらゆるシリーズ作品が、この縛りを超えることはできないわけです。
例えば戦隊モノでは『ゴレンジャー』でしょうし、ライダーシリーズでは初代『仮面ライダー』でしょう。
　そんなわけで、ここで話は終了となるんですが（←こらこら）、ここではちょっと違う切り口で、シリーズ作品における“縛り”を考えてみようかと。
　要するに、シリーズ化するに到った作品の「This is」なるものは、この“縛り”を、良い意味で継続させる意味においてのスタンダードなのではないか？と考えたわけです。

　先にあげた戦隊モノでいえば、一時期は「ゴレンジャー〜ジャッカー電撃隊」までの石ノ森章太郎原案の二作品を（尊重する意味で）シリーズから外そうという動きがありました。つまりジャッカーの次作品『バトルフィーバーＪ』からを“戦隊シリーズ”としようという動きですね。
　もっとも、『バトルフィーバーＪ』は米マーベルコミックスに原案を得ていた作品ですから、権利関係を含め本来の意味での戦隊シリーズは、八手三郎（東映企画部）作品としての第一弾『電子戦隊デンジマン』からとすべきだと、個人的には考えます。
したがって、以降の記述で『バトルフィーバーＪ』とすべきところを『デンジマン』表記としますが、対比しやすくするための方便ですんでご理解のほど。ちなみに両者のどちらを取り上げても、比較する上での違いはありません。

　さて、必殺でいうなら、いわば戦隊モノの「デンジマン」にあたる作品が、二作目にして現れた『必殺仕置人』なわけです。

　ここで“縛り”というキーワードに戻りますが、つまり必殺における縛りとは、突き詰めれば池波正太郎という作家の“縛り”に他ならないと思うんですよ。
　ただし、もっと掘り下げれば必殺仕掛人という作品は、そのタイトルに《必殺》という言葉を絡ませたことで、巧妙にその“縛り”を回避していたことが見て取れる。

　これは簡単な図式で、もし『必殺仕掛人』が、原作通りの『仕掛人・藤枝梅安』というタイトルの作品であったなら、二作目の『必殺仕置人』が生まれることはなかったわけなんです。つまり『デンジマン』は無かったし、必然的に「必殺シリーズ」も存在しなかった――と言えるわけです。

　だから、引用した意味での「This is 必殺」は仕掛人ではあるけれども、同時に“デンジマン＝仕置人”でもある。
　それは何故かといえば、要するに『必殺』という言葉をタイトルに付属させたことの“発明”こそが「This is 必殺」のルーツなのでないか？なんて考えてしまったわけなんですよ、面倒臭いことに(笑)
んで、デンジマン（orバトルフィーバーＪ）の発明は何かといえば、要するに「巨大ロボットを出しました」というところ。仕置人でいえば念仏の鉄のレントゲンであり……と言いたいところなんですが、実は違う。

　引用文にあるようにポピュラリティーとしての「This is 必殺」たる仕事人、この「This is」とは実のところ、レントゲンや手槍ではないんですよね。

　つまり中村主水、もっと言えば『必殺＝同心モノ』という図式で“必殺”のスタンダードを作ってしまったところの、「This is 必殺」なわけなんです。

　そういえば、石ノ森章太郎も池波正太郎も、同じ「しょうたろう」なんだよな。う〜ん、意外な発見。

　ちなみに、戦隊モノに巨大ロボットが登場した背景には、ジャッカー終了後の一年の放送休止期間に、別放送局（テレ東）で『スパイダーマン』を制作していたことがあるようです。
　この日本版スパイダーマンに、東映は「レオパルドン」という巨大ロボットを登場させたのですが（変形前の戦艦形態の名称が、まんま“マーベラー”でした）、その時のマーベルコミックスと東映の権利関係のつながりから『バトルフィーバーＪ』が制作され、またレオパルドンの玩具が好調な売れ行きだったこともあって、バトルフィーバーＪにも「バトルフィーバーロボ」が登場、そして『電子戦隊デンジマン』へと受け継がれていくわけです。

　こうして見ていくと、ゴレンジャー→ジャッカー電撃隊→スパイダーマン→バトルフィーバー→デンジマン、という東映視点の流れになりますな。

　紆余曲折はあるにしろ、やっぱりスーパー戦隊シリーズは、純粋な八手三郎作品たる『デンジマン』に始まりを求めるのがスッキリする気がします。

　う〜ん…やっぱり、�△盻颪海Α�
　最後のところから、まだまだ書きたいこともありますからね。

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